2015年10月12日月曜日

The Plimpton 322 Collection (9): For What?

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本粘土板の作成目的関連の記載内容を列記する。
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[1]「ピタゴラスの定理をめぐる2つの謎」、森下四郎、プレアデス出版、(2010).
p.21) 古代バビロニアにおいて、ピタゴラスの定理を理解した上で、斜辺と他の一辺との間の角が30°〜45°の間の様々な角度における底辺と斜辺の関係を計算したもの。
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[2]「数学史の小窓」、中村滋、日本評論社、(2015).
p.26) 驚くべきことに、大小の三角形を取り混ぜて、1つの鋭角が約45°から31°までほぼ等間隔で減少するように作られていた。
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室井さんは,,,数表の上に書かれた言葉から、バビロニアの人たちが「普通の因数」と読んだ 2,3,5 という素数をうまく使って、この表を作成したことを明らかにした。
,,,この表の角度を等差数列にすること,,,
,,,この粘土板が (1 + tan(x)^2) の表であることを宣言した。,,,
,,,これによって,,,粘土板の解釈競争は終わりました。,,,
,,,室井さんおめでとう!
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参考文献, p.32):いずこにありや?: not checked yet...
Kazuo MUROI: Mathematics Hidden Behind the Practical Formulae of Babylonian Geometry, Wiener Offene Orientalistik, Band 6: "The Empirical Dimension of Ancient Near Eastern Studies", LIT, (2011); pp.149-157.
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[3]「数学史、数学5000年の歩み」、中村滋・室井和男、共立出版、(2014).
本の帯)「プリンプトン322」の完全解読の結果を初公刊!
p.67-71) 概要説明は、[2]で完結。
p.68) 第I欄の15個の数値は、
   1 + tan(x)^2  (x=45°,44°,43°,....31°)
に対応する近似値であり、ほぼ等差数列のように減少している。
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私見)あくまでも、「近似値」としています。
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[4]「ピタゴラスの定理」、E・マオール、岩波書店、(2008).
p.15) 第4列の項目の平方根 - すなわち比 c/a=cosec A - を計算し、対応する角Aを求めると、Aが45°の少し上から58°まで着実に増加している。この原文の作者はピタゴラスの3数を求めることに興味があっただけでなく、対応する直角三角形の比 c/a を定めることにも興味があったようにみえる。
,,,プリンプトン322は歴史上初の三角関数表として後世に伝えられるであろう。
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[5]「ピタゴラスの三角形とその数理」、細谷治夫、共立出版、(2011).
p.156-157) これらのデータが誰がどのような目的で作成したかはよくわからないが、大きさのまちまちなpPTにつけられた番号が、最終欄にあるこの角度の順番になっていることは否定しようもない事実である。
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私見)角度は、No.1(45.24°)〜No.14(56.74°)まであり、[4]のパターンと同じか?
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[6] 「古代の精密科学」、O.ノイゲバウアー、恒星社厚生閣、(S59/1984).
p.31-35) 第2章(20)/
p.34) ,,,I欄の (d/l)^2 の値はほとんど直線的に減少しており、このことは比 (d/l) そのものについては、もっとはっきりいえる。,,,
,,,このテクストを作った古代の数学者たちはピタゴラス数の3つの数を決定することだけではなく、その比 (d/l) にも関心をもっていたようだ。,,,
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p.35) ,,,事実はどうであれ、当のテクストは古代バビロニア数学の最も注目すべき文書の一つである。,,,
第2章(21)/
,,,偶然に残った表がバビロニア数学の到達した知識の限界そのものを示しているとしたら、これはむしろ驚くべきことであろう。,,,
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[7]「世界を変えた17の方程式」、イアン・スチュアート、SB Creative, (2013).
p.8) ,,,1945年に科学史家のオットー・ノイゲバウアーとエイブラハム・サックスは、,,,
,,,4つの明らかな間違いを訂正すれは、,,,
,,,この表はピタゴラスの3つ組数を記しているように思える。,,,
,,,プリンプトン322がピタゴラスの3つ組数と何か関係があると絶対確実に言えるわけではなく、もし関係があったとしても、単に、面積を簡単に計算できるような三角形を便宜的に列挙しただけなのかもしれない。そしておそらく測量のために、それらを組み合わせて他の三角形や図形の面積のよい近似値を求めていたのかもしれない。
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[8]Plimpton 322 の表について、浅井照明、奈良教育大学.
http://hdl.handle.net/10105/9014 英語 (2012/11/30 released)
http://mailsrv.nara-edu.ac.jp/~asait/pythagorean2/plimpton322.htm 日本語 (2014/10/22 updated)
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おおまかに言えば、古代バビロニア人は多くの可能性の中から、ピタゴラス数を選択したのではなく、可能性のある組をすべて選んだのである。この論文で明らかになった表の最も不思議な点(角度45°、30°)は単なる偶然であることが判明した。
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私見)この粘土板のもとになる知識をもった者は誰なのか?他文明からの漂流者?/ノアの箱船のように、地球の文明が一旦リセットされる前の者?/いずれにしても知識はあるが、道具は全て失われて、現時点で使えるものを出来る限り使用しようとしたように思える、、、そして半永久的に保存する意図があったのか?、、、
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 興味のない人には、ピタゴラス3数の数表としか見えず、それがどうしたのレベルで終わってしまうが、全く別の視点から見ると、かなり意図されて作られた数表の断片であると見えてきた(俄然、やる気のモチベーションがアップしてきた。近似値ではないと思える)。ピタゴラスの別の成果からのアプローチである。DVDではないが、セカンドシーズンで、ご紹介します。
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end.


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